過剰な謙遜はよくないし、事実をありのまま口にするのもよくないという話
35歳以上の大人女子はもれなく全員「北欧」「断捨離」「丁寧な暮らし」「持たない暮らし」「シンプルライフ」(に勤しんでいる自分)が大好きなんだけど、わたしも例にもれず、それ系の雑誌やSNSが大好物です。
そんで「厳選したモノと暮らす」ことを実践しているステキ女子が厳選したばか高い湯たんぽを真似して買ったりとかしています。断捨離の本に感化されてモノを増やすというパラドックス。
でも、ほんとはわたし、知ってる。
雑誌のインタビューに「身の丈に合った暮らしをしています」てにっこり微笑む浮世離れ系女子(リネンのワンピ)が腰かけているそのソファ、それにそっくりのやつ古道具のお店のインスタで50万円(税別)で紹介されてたこと。背景にさりげなく写りこんでるサイドボードが北欧ヴィンテージ家具なこと。夫婦の肩書がそろってなんかオシャレっぽい雰囲気のカタカナ職種なことだって、見落としてない。
彼女らの「身の丈」は、でかい。
バスタオルはあったほうがよくない?とか、天然酵母のパンはダンナも美味しいって喜んでます?とか、ストウブの鍋重くない?とか、テ…テレビは!?(す、捨てた…だ、と?)とか、いろいろ聞きたいことは山ほどあるけど、そういうのは一旦隅っこに追いやって、やっぱりわたしは彼女たちの(身軽なようなそうでもないような、自然体のような不自然なような、力が抜けているような頑ななような)ライフスタイルにうっとりと憧れるのです。ああわたしも次の人生では自家製梅酒作ったり週末は北欧名作家具の椅子で読書したりしたい。
最近インスタをフォローした整理収納コンサルタント(次の人生ではなりたい)の女性がインスタライブをするというので「わーい」とばかりに見にいったのですが、開始数分、視聴者からの
『うわぁ~ステキなお部屋~』
『憧れる~』
『センスいいですね~』
『めっちゃ綺麗に片付いてる』
という数々の絶賛コメントに彼女、恐縮しっぱなしで、「そんなことないですぅ」と「全然汚いですよぅ」を首ふるふる振りながらひたすら繰り返していて、なんだかがっかりしてしまいました。
彼女は地方在住で、雑貨ショップを経営されていて、本も出版されています。
そんなライフスタイルをかっこいいなって思うし、東京とかに住んでなくても全国区で活躍できるんだーって憧れていたのだけれど… なんか…
思わず、ちょっと意地悪な質問をぶつけたくなってしまう。
「なんでわざわざインスタライブまでしてお部屋公開してるんですか?」
あなたはいまから何やろうとしてるの?
庶民に片付けスキル見せつけてやろうとしてるからじゃないの?
「そんなことないですぅ」じゃねーわ。
わたしあなたの出した本買ってるんですけど。
「全然汚いですよぅ」って思ってる部屋の本出版したの?
そんな本の収納アイデアを、わたしは眺めて喜んでるの?
おまえいいかげんにしろよ!
本当のことを言うと、ついつい謙遜したくなる気持ちはよくわかる。でもプロなら、それでお金稼いでるなら、もっと堂々としてほしい。
そんであなたの部屋が汚いってことは、それ以下(わたし)の部屋も汚いってことだからね?あなたが自分の部屋をディスることは、あなたに憧れてる人全員ディスってんのと同じだからね?いや自分以下の糞庶民どもをディスること自体は別にいいよ。プロとしての立ち位置で、指導、指摘するスタンスなら。でもあなたの場合は、謙遜することで期せずして他人を貶めちゃってませんか?それはあなたの望むところではないでしょう?てことが言いたい。
過剰な謙遜はおかしな事態を招くことになりかねない。
自分がへりくだったつもりが、間接的に相手を否定することもある。
以前職場でお客様と雑談してて出身大学を聞かれて、「やー、名前聞いても知らないと思いますよ?」「いやほんと、まじで行っても行かなくてもどーでもいいような四流大学なんですってば」「行くだけお金の無駄だったなっていまとなっては親に申し訳ない」とか散々言ったあと、それでもまだ聞かれたのでしぶしぶ大学名を答えたら、「あーやっぱりー笑 リミさんが大学時代に住んでたっていう場所が近そうだからもしかしてって思ったんだけど、うちの姪が来年からそこの大学なんだよー」て穏やかに言われて、殺してくれ><って思いました。
でも整理収納コンサルタントの彼女とは違うのが、わたしの場合は謙遜なんて一切してなかったってこと。ただの本気だかんな。
以上、過剰な謙遜はよくないし、あと本当のことでも場合によっては黙ってろ、って話でした。
(※行っても行かなくてもどーでもいい、お金の無駄なだけな大学なんてこの世にありませんよ!めっ!)